20代女性  聴力障害、平衡機能障害、非器質性精神障害、後遺障害併合10級

事故状況

 路肩付近に自動車を止め、道路から上半身を助手席に入れて荷物を取り出していたところ、後方より走行してきた自動車に追突されました。

受傷内容、治療経過

 事故により、肋骨骨折、肺挫傷、眼窩底骨折、上顎骨前壁骨折などの傷害を負いました。

 

 骨折自体は順調に回復しましたが、聴力が低下し、歩行時にふらつくという症状が現れました。

 さらに、事故後、不眠、抑うつ、失神、フラッシュバックなどの症状が現れ、精神科でPTSDと診断されました。

 

 依頼者は一人暮らしをしていましたが、歩行時のふらつき、PTSDなどの症状のため、一人で日常生活を送ることが難しく、入院は約8か月に及びました。

治療費、休業損害の打ち切り、仮処分の申立

 相手方保険会社は、当初から、自由診療の治療費が高額に過ぎるとして治療費の支払いを拒否し、さらには、事故から約7か月で、休業損害の支払いを打ち切りました。

 

 依頼者は、とても仕事ができる状態ではなく、休業損害の支払を止められては生活することができません。

 

 そこで、裁判所に仮払い仮処分の申立をしました。その結果、当面の休業損害として、ある程度まとまった金額の支払を受けることができました。

後遺障害の申請

 事故から約1年で症状固定時期を迎え、自賠責に後遺障害の申請をすることにしました。

 

 平衡機能障害について検査が実施されていませんでしたので、私は、耳鼻科の医師と面談し、カロリックテストの実施を依頼しました。温度眼振検査を実施したところ、異常が確認されました。

 

 そして、精神科の医師と面談し、非器質性精神障害の診断書の作成を依頼しました。面談の際、作成にあたり押さえていただきたいポイントをご説明し、参考資料としてPTSDの診断基準(ICD-10)に沿って後遺障害を認定した裁判例をお渡ししました。

 

 被害者請求で自賠責に後遺障害を申請したところ、聴力障害が11級、平衡機能障害が12級、非器質性精神障害が12級で併合10級と認定されました。

民事訴訟の提起

 相手方は、治療費の支払いすら全面的に拒否していましたので、示談交渉を経ることなく、直ちに民事訴訟を提起しました。

 

 訴訟の中で、相手方は、治療費の相当性、入院期間の相当性、個室費用の相当性、労働能力喪失割合、休業損害・後遺障害による逸失利益を計算する際の基礎収入、素因減額など、全面的に争ってきました。

 

 私は、整形外科の医師、耳鼻科の医師と面談し、意見書をいただくなどして立証、反証に努めました。

 事故から年月が経過しており、医師は、あちこちに転勤していましたが、転勤先の病院にお邪魔しました。 医師からは、「よくこんなところまで来ましたね。」、「まだやってるんですか?」などと半ば呆れられもしましたが、皆様、快くご協力くださいました。

 

 裁判所で、依頼者の尋問(原告本人尋問)も実施しました。尋問では、深刻な症状が続き、未だ仕事に就けていないことなどをお話しいただきました。

裁判上の和解の成立

 尋問を実施した後、裁判所より和解勧告がありました。和解勧告とは、裁判所より、争点についての心証(※裁判官の考え)を開示した上で、賠償額を提示するものです。

 

 裁判所の和解案は、当方の主張の大部分を認めるものでしたので、当方は受諾し、最終的には相手方も受け入れ、裁判上の和解が成立しました。

 

 賠償額は合計約3828万円(※自賠責保険金、治療費を含む。)となりました。

解決のポイント

 この件では、何度も病院に足を運び、整形外科、耳鼻科、精神科の医師と面談をしました。

 

 平衡機能障害について、カロリックテストを実施したことで障害が証明され、後遺障害と認定されました。

 医師は、怪我を治すのが本来のお仕事で、後遺障害を立証することには必ずしも関心が高いとはいえません。「検査して異常が明らかになったとして、それでどうするの?」という発想があり、治しようがないのに検査だけしても意味がないと思うところがあります(それはそれで的を得ているのです。)。

 後遺障害の立証のために必要と思われる検査が実施されていない場合は、こちらから依頼する必要があります。

 

  心療内科の医師と面談した際には、診断書の用紙をお渡しし、ICD-10の要件を意識して記載していただきたい旨をご説明し、参考資料をお渡ししました。

 

 保険会社との交渉、仮処分の申立、民事訴訟の提起、原告本人尋問の実施と総力戦となり、長期間を要しましたが、ベストを尽くし最終的には納得できる解決となりました。

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