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加害者が任意保険に加入していない場合~自分の保険を使う!

事故の加害者が任意保険に加入していない場合、資力の乏しい加害者から損害賠償を受けるのは容易なことではありません。治療費すら支払ってもらえず、苦しい思いをする被害者も多くおられます。
そのような場合に、まず考えるべきは、ご自分の保険、あるいはご家族の保険を使えないかということです。

 

1.無保険者傷害条項
(1) どのような保険か
①被害者が事故にあって死亡または後遺障害が残り②事故の相手方が任意保険に加入していない場合(自賠責保険にしか入っていない場合も同じです。)、ご自分が加入している保険に損害賠償を請求することができるものです。
ここでのポイントは、死亡または後遺障害が残った場合であることです。怪我が完治して後遺障害が残らなかった場合には適用されません。
(2) 誰の事故で使えるのか
保険約款で、次の人に適用されるものとされています。
① 被保険者本人
② 被保険者の配偶者
③ 被保険者またはその配偶者の同居の親族
④ 被保険者またはその配偶者の別居の未婚の子
⑤ 被保険自動車に搭乗していた人
このように、被保険者本人だけではなく、配偶者、同居の親族(義父母など)、別居している未婚の子供など、意外と適用範囲は広いのです。
(3) 損害賠償の基準は?
損害賠償の基準には、①自賠責基準、②保険会社基準、③裁判所基準の3つがあり、③裁判所基準が最も高いことは他のページでご説明しました。
無保険者傷害保険では、③裁判所基準で損害を算定することができます。ここが無保険者傷害保険の大きなポイントです。
2.人身傷害保険とは
「無保険者傷害条項」と似て異なるものとして、「人身傷害保険」というものがあります。保険会社が定めた基準に従い、過失割合に関わらず100%の補償を行うものです。
この保険は、①過失相殺されない、②後遺障害がなくても適用されるというメリットがあるのですが、他方で、支給額はあくまで保険会社基準という限界があります。

 

3.どちらを使うべきなのか?
それでは、死亡または後遺障害が残った場合には「無保険者傷害条項」と「人身傷害保険」の両方が適用されることになりますが、どちらを使うべきなのでしょうか?
それは、原則として無保険者傷害保条項です。なぜなら、無保険者傷害保険では、裁判所基準で損害賠償を算定することができるからです。
例外として、こちら側の過失がかなり大きい場合は、過失相殺を受けない人身傷害保険を使う方が有利な場合もあるでしょう。

文責安藤 誠一郎弁護士紹介

大阪弁護士会所属 
安藤誠一郎法律事務所 代表弁護士

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