遺言の事例1
お世話になっている妹に遺産の全てを譲る内容の公正証書遺言を行い、遺言執行者に就任し迅速に遺言を執行することができたケース
依頼者さまの状況
遺言者は86歳の女性で、足が不自由なため、介護施設で生活していました。結婚歴、子どもはなく、兄弟姉妹3名(妹が2人、弟が1人)が法定相続人となります。自分に万が一のことがあったときには、日頃からお世話になっている妹の一人に財産を譲りたいとのご意向でした。
当事務所の対応
1. 遺言まで
当職は、遺言者が生活している介護施設を訪問し、詳しくお話しして、意思能力、遺言の意思を確認しました。お話ししたところ、記録力、理解力ともにしっかりされており、遺言の能力に問題ないと考えられました。当職にて、公証人役場を手配し、公証人と打ち合わせをしながら条項を作成していきました。足が不自由であるため、公証人に出張していただき、介護施設で公正証書遺言をしていただきました。遺産の全てを妹の一人へ取得させ、当職を遺言執行者と指定する内容の遺言をしました。
2. 死亡後
遺言から約1年後に、遺言者が亡くなられました。当職は、遺言執行者として、法定相続人に通知書を発送し、金融機関で預貯金を解約して払戻を受け、それを妹様に振り込みました。
ポイント
1. 遺言の必要性
遺言者には、配偶者、子、両親がいませんでしたので、法定相続人は兄弟姉妹となります。遺言がなければ、兄弟姉妹が均等に取得することになります。兄弟姉妹には遺留分がありませんので、遺言があれば、遺言者の希望するままに、お世話になった人に全てを譲ることができます。遺言するべきケースといえます。
2. 遺言の有効性の担保
遺言者は86歳と高齢で介護施設で生活されていましたので、死後、他の法定相続人から認知症であったなどとして遺言の無効を主張されるリスクのある事案でした。それ故に、当職は、事前に遺言者と面談して、詳しくお話をして、その内容を記録化しました。また、遺言の証人として、当職が署名捺印することに加え、お世話になっているお寺の住職にお願いしました。そのようにして、将来、遺言の効力が否定されるリスクがほぼ無い状態としました。
3.遺言執行者
遺言執行者を指定しておくことにより、他の法定相続人から実印、印鑑登録証明書を取り付ける必要がなくなります。当職は、遺言執行者として、金融機関で預金の解約手続を行い、迅速に手続が完了しました。