40代女性(主婦)、橈骨頭骨折~後遺障害14級と認定され、弁護士が異議申立をして12級が認定されたケース

事故状況

 原動機付自転車で直進走行して十字路に進入したところ、左方向より直進走行して交差点に進入してきた自動車に衝突されました。信号のない交差点で、道路幅は同程度でした。

症状、治療経過

 左橈骨頭骨折の傷害を負いました。

 骨癒合は順調でしたが、左前腕の外側から指先の外縁部にかけて痺れが残りました。

ご相談の経緯

 後遺障害の申請をするにあたり、法律的な知識がなく不安を感じ、弁護士に相談した方がよいのではないかと思い、当事務所にご相談、ご依頼いただきました。

当事務所の活動、後遺障害の申請

 橈骨頭骨折で、骨癒合が完成しているにもかかわらず、左手の前腕から指先にかけて外縁部が痺れるということですので、尺骨神経の損傷が疑われます。

 そこで、医師に尺骨神経の神経伝導速度検査を依頼し、その結果を後遺障害診断書に記載していただくようアドバイスしました。

 

 医師に依頼して神経伝導速度検査を実施したところ、尺骨神経の伝導速度が、正常値の半分程度にまで低下していました。

 

 尺骨神経の損傷が立証されましたので、後遺障害第12級13号が認定されると考えて、自賠責に後遺障害の申請をしましたが、第14級9号という認定でした。

異議申立

 証拠の評価を誤っていると思われましたので、異議申立をしました。

 異議申立書には、神経伝導速度検査、MRI画像(T2強調画像で尺骨神経に信号上昇が見られました。)で、尺骨神経の損傷は証明されていることなどを記載しました。

 

 その結果、認定が覆り、後遺障害第12級と認定されました。

 

 通常、異議申立をする際には、医学的証拠を補充するのですが、証拠の評価を誤っているだけで、証拠としては十分と考え、資料の追加はしませんでした。

示談交渉

 自賠責に認定を受けて、裁判所基準で損害額を算定し、相手方保険会社と示談交渉を行いました。

 主婦としての休業損害、後遺障害による逸失利益も計上しました。交渉の結果、ほぼ当方の請求どおりの内容で示談が成立しました。

 

 賠償額は合計約554万円(※自賠責保険金を含む。治療費を含まない。)(当方の過失割合:30%)となりました。

解決のポイント

 神経伝導速度検査を実施して、尺骨神経の損傷を立証したことがポイントです。神経伝導速度検査を実施しなければ、尺骨神経の損傷について医学的な証明があったとはいえず、後遺障害認定は14級9号にとどまります。

 

 このような検査は、医師の方から進んで実施してくれることは少なく、こちらから医師に依頼する必要があります。医師は、怪我を治すのがお仕事で、後遺障害を立証するのは本来のお仕事ではありません。後遺障害の立証は、弁護士に責任があります。

 

 十分な医学的証拠を揃えて自賠責に後遺障害を申請しても、「なぜこの認定なのか?」という認定がなされることがあります。そのようなときは、臆することなく異議申立をするべきです。

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