肋骨骨折~後遺障害非該当と認定されたが、弁護士が異議申立をして第14級9号が認定されたケース

80代女性(主婦)

  • 骨折
  • 後遺障害認定
  • 自賠責の異議申立手続

後遺障害非該当

後遺障害等級 第14級9号

事故状況

 市場で並んでいたところ、進入してきた車に跳ねられ転倒しました。

治療経過、後遺障害の申請

 肋骨骨折の傷害を負い、1年以上にわたり通院しましたが、前胸部の痛みが持続しました。

 約13か月で症状固定とし、相手方保険会社が段取りをして事前認定の手続で自賠責に後遺障害の申請をしましたが、非該当と認定されました。

ご相談の経緯

 相手方保険会社は、後遺障害非該当を前提として、60万円を支払うという内容の示談案を提示しました。

 しかし、依頼者は、痛みが続いているのに後遺障害非該当という認定に納得できませんでした。

 また、仮に後遺障害がないとしても、60万円という賠償額はあまりにも低いのではないかと感じ、当事務所にご相談、ご依頼いただきました。

 当事務所が代理人として、まずは自賠責に異議申立をすることになりました。

当事務所の活動、異議申立

 当事務所で、病院からカルテ、レントゲン・CTの画像などを取り寄せました。

 画像やカルテを検討した上で、私が病院を訪問して主治医と面談しました。

 主治医より、肋骨骨折が軽度変形癒合しており、それが肋間神経を圧迫することで痛みが生じているのだろうとの見解をいただきました。

 主治医の見解を私が文章にまとめ、医師に署名捺印していただき意見書という形で提出することになりました。

 受傷直後から症状固定までの間、痛みが一貫して存在していること、消炎鎮痛剤が効かず神経痛薬であるリリカが著効したことなどが医師の見解を補強する事情となりますので、カルテを証拠として提出することにしました。

 〇カルテ、〇医師の意見書などの医学的証拠を添付し、異議申立書を起案して提出したところ、認定が変更され、後遺障害第14級9号に変更されました。

示談交渉

 変更された後遺障害の等級を前提として、裁判所基準で損害額を算定し、保険会社との示談交渉に入りました。

 依頼者は、80代の女性ですが、ご主人と同居しており、家事労働を行う主婦という立場ですので、主婦としての休業損害も計上しました。

 入通院慰謝料や、ご高齢ですので休業損害の基礎収入などが議論となりましたが、最終的には、妥当な金額で示談が成立しました。

 賠償額は合計345万円(※自賠責保険金を含む。治療費を含まない。)となりました。

解決のポイント

1 後遺障害の異議申立

 まずは、事前認定でなぜ後遺障害非該当とされたのかを分析するところから始めました。

 画像を見ても、肋骨の骨折、変形は明らかではない小さなもので、また、骨折が治癒しているにもかかわらず痛みが続いているのは何故なのかが明らかではありませんでした。骨癒合が得られているにもかかわらず痛みが残っているという場合、何故に痛みが残っているのか、医学的な説明が必要です。

 この点について主治医に見解をいただき、肋間神経を圧迫することで痛みが生じているであろうという説明を行い、それを裏付ける事実として、リリカを処方したところ著効した事実などを示しました。

2 主婦の休業損害

 依頼者は80代とご高齢の主婦でしたので、休業損害、後遺障害による逸失利益の有無が問題となります。

 事故前は、家事全般を行い、畑仕事にも出られるなど、とても元気にされていましたので、主婦としての家事労働を休業損害、後遺障害による逸失利益として計上しました。

文責安藤 誠一郎弁護士紹介

大阪弁護士会所属 
安藤誠一郎法律事務所 代表弁護士

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