30代男性、脳挫傷~平衡機能障害、高次脳機能障害により後遺障害第9級と認定され、適正な賠償が得られたケース

事故の状況

 高速道路上で作業車の荷台に乗っていたところ、後方より走行してきた車に衝突されました。

受傷

 衝突により、脳挫傷を負いました。

 事故後、下を向くと激しい目眩が生じるようになりました。

 さらには、物忘れがひどい、怒りっぽくなる等の症状が現れました。

ご相談、ご依頼の経緯

 後遺障害の申請、保険会社との示談交渉などをどのように進めていけばよいのか分からない、弁護士に任せたいということで、ご相談、ご依頼いただきました。

治療の経過

1 めまい(平衡機能障害)

 大学病院のめまい外来で専門的な検査を受け、VEMPにより目眩の存在が裏付けられました。内耳の耳石が剥離していて、それにより目眩が生じているとのことでした。

 医師からは、「しっかり頭を振るように。」、「いつかは治る。」と言われましたが、通院を続けるも改善は見られませんでした。医師は、「いつかは治るものだから」と言い、後遺障害の申請に消極的でしたが、いつ治るかは誰にも分からないとのことで、一向に改善が見られませんでした。

 そこで、当職が、医師に会いに行き、改善の目処が立たないので後遺障害の申請をしたいとお話しし、事故から1年が経過しても症状が残っていたら症状固定とし、後遺障害診断書を作成していただくことになりました。

 

2 高次脳機能障害

 加えて、奥様から、事故後、もの忘れがひどい、怒りっぽくなった、明らかに言ってはいけないことを言ってしまいトラブルになる、事故前とは明らかに違うとご相談がありました。脳挫傷、事故後の意識障害がありましたので、高次脳機能障害が疑われる症状です。

 事故から既に1年近くが経っていましたが、堺市内の高次脳機能障害の病院をご紹介し、専門的な検査とリハビリを受けていただくことになりました。

自賠責への後遺障害の申請

 事故から約1年で、めまいを症状固定とし、自賠責に後遺障害を申請したところ、平衡機能障害として後遺障害第12級と認定されました。

 その後も、高次脳機能障害の治療を続け、事故から約2年で症状固定とし、自賠責に後遺障害の申請をしたところ、高次脳機能障害として後遺障害第9級と認定されました。

示談交渉

自賠責の認定後、保険会社と示談交渉を行いました。

 依頼者は一人親方で、極端な過少申告をしていましたので、休業損害、後遺障害による逸失利益における基礎収入が問題となりました。申告内容では基礎収入はほとんど0円となってしまいます。様々な資料でコツコツと立証していき、賃金センサスを参考に、納得できる内容で合意できました。

 賠償額は、約3700万円(※休業損害、自賠責保険金を含む。治療費を除く。)となりました。 

解決のポイント

1 めまい(平衡機能障害)

 めまいがある場合、耳鼻咽喉科で専門的な検査を受け症状を裏付ける必要があります。心療内科を紹介されたりと、的外れな治療がなされていることもあります。

 今回は、眼振検査には異常がありませんでしたが、VEMPにより裏付けられたことで、後遺障害が認定されました。

 

2 高次脳機能障害

 高次脳機能障害についても、通常の脳神経外科では対応が難しく、専門的な病院で検査とリハビリを受けていただく必要があります。

 高次脳機能障害は、患者本人には病識がないことが多く、ご家族が変化を実感されます。「明らかに事故前とは違う」、「人が変わったようだ」と思われたときには、専門外来を受診されることをお勧めします。

 

3 2段階の後遺障害申請(被害者請求)

 依頼者は、事故後、仕事に復帰できず、休業損害の支払を得て生活していましたが、耳鼻科(めまい)の症状固定により休業損害の支払は終了しますので、まずは、そこで自賠責に後遺障害の申請をしました。

 自賠責保険金としてまとまった金額が入ってきますので、それを当面の生活費にあてていただきながら治療を継続していただき、高次脳機能障害が症状固定となったら、自賠責に2回目の申請をするという方法をとりました。

 自賠責への後遺障害申請は、まとめて一度でする必要はありませんので、症状固定したものから申請し、当面の生活費を確保していただくようにしています。

 

4 裁判所基準での賠償

 今回のようなケースでは、保険会社が示談の提示をする際に用いる〇保険会社基準と弁護士が用いる〇裁判所基準とで賠償額におよそ5倍程度の違いが出てきますので、弁護士に相談された方がよいと思います。 

 個人事業主で過少申告をしていた場合、実際の収入をコツコツと立証していく必要があります。「申告してなかった場合は平均賃金で計算するんでしょ?」と言われることがありますが、半分は合っていますが半分は間違っています。まずは、平均賃金以上の収入を得ていたであろうことを立証しなければなりません。その上での平均賃金です。  

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