高次脳機能障害の要件①~意識障害

高次脳機能障害が認められるための要件を別の記事で総論として書きましたが、これからは、要件のひとつひとつを解説していきたいと思います。

 

1.意識障害の要件
最初に意識障害を取りあげるには理由があります。それは、意識障害の要件は、自賠責保険や裁判所が非常に重視している要件で、なおかつ、患者にとってハードルになることが多いからです。
意識障害の要件は、以下のとおり基準が定められています。
頭部外傷後、①重度の意識障害が少なくとも6時間以上続くか、②健忘症あるいは軽度の意識障害が1週間以上続いたこと

 

2.意識障害の検査数値
(1) 意識障害のテスト
意識レベルを判定するテストには、グラスコーマスケール(GCS)(点数が低いほど重傷となります)、ジャパンコーマスケール(JCS)(点数が高いほど重傷となります)という検査があります。
(2) 重度の意識障害
上で述べた重度の意識障害とは、グラスコーマスケールが8点以下、ジャパンコーマスケールが3桁以上(100以上)となる場合をいいます。書類には、「JCSⅢ200」などと記載されます。これが6時間以上続いたことです。
(3) 軽度の意識障害
軽度の意識障害とは、グラスコーマスケールが13~14点、ジャパンコーマスケールが2桁~1桁の場合をいいます。これが1週間以上続いたことです。

 

3.自賠責保険への請求書類
後遺障害の等級認定を申請する際には、「後遺障害診断書」に加えて、「頭部外傷後の意識障害についての所見」という書類を主治医に作成してもらい、提出することになっています。
この「頭部外傷後の意識障害についての所見」にグラスコーマスケール、ジャパンコーマスケールの数値を記入していただき、意識障害を立証する資料とします。

 

4.書類作成時の注意点
医師としては、目の前の患者の命を救うことが一番大事ですから、その処置を懸命にしてくださるのですが、グラスコーマスケールなどのテストをして数値を記入することは、あまり熱心ではありません(ある意味で当然のことだと思います。)。なかには、グラスコーマスケールをやっていない場合もあります。
また、重度の意識障害はなく(あるいは、あっても6時間未満のケース)「軽度の意識障害が1週間以上」という要件で勝負する場合は要注意です。例えば、意識レベルが戻ったのが1週間後なのか、3日後なのか、それとも5日後なのか、それは後遺障害の認定の上ではとてもとても重要なことなのですが、病院できちんと記録されていなかったり、間違って記録されていることもあります。1年後に症状固定して「頭部外傷後の意識障害についての所見」を書いてもらおうとしても、医師も1年前のことなど覚えていませんよね。
患者側でも、どのような意識障害があって、いつの時点で意識が戻ったのか、記録をつけておくことが必要だと思います。

 

 

 

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