- 脳障害・脊髄損傷
頸椎、胸椎、腰椎(せき柱)の圧迫骨折②~後遺障害の等級
頸椎、胸椎、腰椎(せき柱)の圧迫骨折をした場合の後遺障害の等級は、以下のように定められています。 大きくは、①変形障害と②運動障害に分かれます。
1.変形障害
(1) 3つの等級
せき柱の変形障害は、以下の3つの等級が定められています。
6級・・・せき柱に著しい変形を残すもの
8級・・・せき柱に中程度の変形を残すもの
11級・・・せき柱に変形を残すもの
しかし、これではあまりに抽象的ですので、以下のとおり、具体的な基準が定められています。
(2) せき柱に著しい変形を残すもの(6級)
レントゲン写真等により、せき椎圧迫骨折を確認することができる場合であって、次のいずれかに該当するものをいいます。
① せき椎圧迫骨折等により2個以上の椎体の前方椎体高が著しく減少し、後彎が生じているもの
② せき椎圧迫骨折等により1個以上の椎体の前方椎体高が減少し、後彎が生ずるとともに、コブ法による側彎度が50度以上となっているもの
(3) せき柱に中程度の変形を残すもの(8級)
レントゲン写真等により、せき椎圧迫骨折を確認することができる場合であって、次のいずれかに該当するものをいいます。
① 椎体の前方椎体高が減少し、後彎が生じているもの
② コブ法による側彎度が50度以上であるもの
③ 環椎又は軸椎の変形・固定により、次のいずれかに該当するもの
ⅰ 60度以上の回旋位となっているもの
ⅱ 50度以上の屈曲位又は60度以上の伸展位となっているもの
ⅲ 側屈位となっており、エックス線写真等により、矯正位の頭蓋底部の両端を結んだ線と軸椎下面との平行線が交わる角度が30度以上の斜位となっていることが確認できるもの。
(4) せき柱に変形を残すもの(11級)
次のいずれかに該当するものをいいます。
① せき椎圧迫骨折等を残しており、そのことがエックス線写真等により確認できるもの
② せき椎固定術が行われたもの
③ 3個以上のせき椎について、椎弓切除術等の椎弓形成術を受けたもの
2.運動障害
(1) 2つの等級
せき柱の運動障害は、以下の2つの等級が定められています。
6級・・・せき柱に著しい運動障害を残すもの
8級・・・せき柱に運動障害を残すもの
(2) せき柱に著しい運動障害を残すもの(6級)
次のいずれかにより頸部及び胸腰部が強直したものをいいます。
① 頸椎及び胸腰椎のそれぞれにせき椎圧迫骨折等が存しており、そのことがエックス線写真等により確認できるもの
② 頸椎及び胸腰椎のそれぞれにせき椎固定術が行われたもの
③ 背腰部軟部組織に明らかな器質的変化が認められるもの
(3) せき柱に運動障害を残すもの(8級)
次のいずれかに該当するものをいいます。
① 次のいずれかにより、頸部又は胸腰部の可動域が参考可動域角度の2分の1以下に制限されたもの
ⅰ 頸椎又は胸腰椎にせき椎圧迫骨折等を残しており、そのことがエックス線写真等により確認できるもの
ⅱ 頸椎又は胸腰椎にせき椎固定術が行われたもの ⅲ 背腰部軟部組織に明らかな器質的変化が認められるもの
② 頭蓋・上位頸椎間に著しい異常可動性が生じたもの