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自賠責切れにご注意を!!
自賠責保険が切れていたらどうなるのか?
任意保険に加入しているものの、自賠責保険が切れているというケースに遭遇することがあります。
「任意保険に入っているから大丈夫だろう」と何となく思われるかもしれませんが、大変なことになります。
任意保険は、自賠責保険の上積み保険という位置づけで、あくまで自賠責保険があることを前提に自賠責保険ではまかなえない部分のみをカバーするものとされています。
保険約款には、「事故による損害の額が自賠責保険によって支払われる金額を超過する場合に限り、その超過額に対してのみ保険金を支払います。」と記載されています。
これがどういうことかといいますと、事故をした時点で自賠責保険が切れていた場合は、自賠責保険に加入していたら自賠責保険金として支払われていたであろう金額はカバーされない、自己負担になるということです。
具体的には、傷害部分の自賠責保険金は120万円で、この部分は任意保険ではカバーされず自己負担になります。
例えば、後遺障害第14級が認定されれば、後遺障害部分の自賠責保険金は75万円ですので、傷害部分の120万円と合わせて195万円は自己負担となります。これが死亡事故であれば、自賠責保険金は3000万円ですので、3000万円は自己負担となり、3000万円を超える部分のみ任意保険が適用されるということです。
任意保険会社の対応
自賠責が切れている場合、任意保険会社は、「契約者が、自賠責部分を支払うまでは、弊社に示談代行権原がございませんので、対応できません。」と言って対応しません。損害額が自賠責保険金を超えることが明らかな事案であっても同じです。
任意保険会社は出てきませんので、契約者(加害者)は、被害者と直接やり取りをして、治療費などを支払わなければなりません。被害者側としても、任意保険会社は対応してくれませんので、加害者に直接請求しなければなりません。
任意保険会社は、契約者(加害者)が自賠責保険金相当額を支払い終わって初めて表へ出てきます。傷害であれば120万円、死亡であれば3000万円を支払って初めて任意保険が適用されるということです。
契約期間にご注意を
このように、自賠責切れの状態で事故を起こすと恐ろしい事態を招きますので、くれぐれもご注意ください。契約更新のハガキが届いたら、忘れることなく更新手続をしましょう。
任意保険に加入していると自賠責保険はあまり重要でないように思いがちですが、あくまでセットとお考えください。