• 耳の障害

めまい、平衡機能障害の後遺障害認定

1.めまいが現れたら・・・耳鼻科の受診を!
交通事故で頭部等を打撲し、めまいが起きたり、バランス感覚がおかしくなることがあります。
そのような症状が出たときには、主治医に症状をきちんと伝えること、めまいを裏付ける検査をすることが必要となります。
交通事故で怪我をした場合、整形外科を受診していることが多いのですが、めまい、耳鳴りなどの症状があるときには、主治医に症状を伝え、紹介状を書いていただいて耳鼻科を受診するようにしてください。めまいの症状があるにもかかわらず、検査・治療をすることなく漫然と放置されていることが珍しくありません。
耳鼻科で必要な検査をして、めまいの原因を特定していきます。
2.めまいの原因
めまいの原因の多くは、内耳機能の障害とされています。
CT、MRIで脳に障害がなく、メニエール病、良性発作性頭位めまい症などの疾患もないということであれば、事故時の衝撃で内耳がダメージを受けたことが考えられます。
逆に言えば、メニエール病、良性発作性頭位めまい症などの疾患の可能性を排除し、事故を原因とするものであることを立証する必要があります。
3.めまいの症状
めまいの症状は、大きくは以下の2つに分類されます。まずは、◎めまいの症状がどのようなものなのか◎めまいがどの程度継続するか・反復するか◎難聴・耳鳴り・吐き気などの症状を伴うものなのかといったことを医師に伝えます。
(1) 定型性めまい(末梢性障害、内耳性めまい)
回転感が特徴で、周囲がぐるぐる回る感じがする、床が傾いている感じがするといった症状です。
(2) 非定型性めまい(中枢性傷害)
身体の不安定感が特徴で、ふらつく感じがする、フワフワと宙に浮いた感じがするといった症状です。

 

4.めまいの検査
(1) 眼振検査  ★★★ 必須の検査
めまいの程度を調べる検査です。めまいが起きているときは、眼球が激しく揺れ動いています。これを「眼振」といいます。
物を見つめない状態(自発眼振検査)、見つめた状態(注視眼振検査)、頭の位置を変えた状態(頭位眼振検査)などで眼振を観察します。
検査では、特殊なメガネを装着したり、電気的な記録で眼振を観察したりします。
眼振は、患者の意思でコントロールすることができませんので、自賠責でも信頼度の高い検査とされています。
(2) 迷路刺激検査 
温度差や電気的刺激などを与えたときに生ずる眼振を調べる検査です。
ポピュラーなのは温度刺激検査で、耳の中に冷水、ぬるま湯を入れて、眼振が起きるかどうかを観察します。
(3) 平衡機能検査
両足立ち、片足立ちをして、目を開いたとき、目を閉じたときにバランスが崩れるのかを観察します。
(4) 聴力検査
めまいは、内耳機能の障害に原因があることが多いですので、聴力検査にも異常が見られることがあります。色々な周波数の音を使い、どの程度聞こえているのかを検査します。
聴力検査は複数回実施し、検査結果に一貫性があるかどうかもチェックします。

 

5.めまいの後遺障害等級
めまい、平衡機能障害の程度に応じて、自賠責で後遺障害3級、5級、7級、9級、12級、14級が規定されています。大まかに説明すると、以下のとおりです。
3級・・・労務に服することができない
5級・・・労働能力が平均の4分の1程度しか残されていない
7級・・・労働能力が平均の2分の1程度
9級・・・就労できる職種の範囲が相当な程度に制限される
12級・・・通常の労務に服することはできるが、眼振などの検査で異常所見が認められる
14級・・・検査で異常所見は認められないが、めまいがあることが医学的に推測できる

文責安藤 誠一郎弁護士紹介

大阪弁護士会所属 
安藤誠一郎法律事務所 代表弁護士

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